フランス漫画界で絵のうまさではトップクラスの漫画化の作品
2006-09-20
「Le Sursis : tome 2」
著者 : Jean-Pierre Gibrat
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800125985
ISBN-13 : 978-2800125985
表装 : ハードカバー(23x1x32)56頁
本の全体評価 :(4/5)
ストーリー :(3/5)
絵 :(5/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごごち :(2/5)
この表の見方はこちら
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
叔母さんが二人の男に脇を抱えられ、車に運び込まれるのを目撃したJulienは、彼女がドイツ軍に協力している義勇軍につかまったものだと思い込み、隠れ家から抜け出し、雪の夜を彷徨い歩く。
彼が唯一信頼できる Cécile の家へ行くが、家の前に車が駐車してあるのを見て、Paul がCécile の家に泊まっているのだと思いこんだJulienは、Cécile の家の納屋で一夜を明かす。
(以上は上巻の最後の部分)
次の朝、雪に、納屋へ向かう足跡がついているのを見たCécile は、納屋ヘ向かう。そして、そこでCécileは、死んだと思っていたJulienを見つけ驚愕する。Julienが、ひどい熱に苦しんでいるのを見たCécile は、自分の部屋へJulien を運び込む。そこで、Cécileの話を聞いた Julienは、自分が見当はずれの想像をしていた事を知る。
そして、Paulと親交を深めたJulienは、少しずつ、レジスタンス活動に賛同して行くようになる。
上巻と同様、相変わらず、メチャ優美な絵がページにいっぱい展開。
ホント、この絵を見るだけでも、この本を買う価値があるのではないかと思われる程、素敵な絵。
ペンで、輪郭をきっちりと描き、色づけしてある普通のフランス漫画とは、一画している淡い水彩画調の絵です。
美しいAveyron地方の風景は勿論の事、何気ない家の中の寝室の様子から、汽車の中にいたるまで、きめ細かく、かつ美しく描かれています。普段、何気なく見ている風景が、この人の手にかかると、美しい1枚の絵になってしまいます。
どうやら、Gibrat氏は、魔法の手を持っているようですね。
ただ、ストーリーの方はいささか平凡。
ドイツ軍占領下のフランスの話を読んだことのない人には、新鮮さが感じられるかもしれませんが、それ以外の人は、今まで語りつくされてきたタイプのストーリーなので、独創性に欠けるという印象を受けるのではないかと思います。
同時期のフランスの田舎町を舞台に書かれた力作>「Les Ronces de fer」 を読んだ後なので、余計、本書のストーリーを凡庸に感じるのかもしれませんが、同テーマを扱った既刊の作品に比べるとストーリーの面では、かなり見劣りしてしまう事は否めません。
ラストになって、どうしてこの作品のタイトルが「Le sursis」なのか分かった時には、
「ふーん、なかなか洒落たタイトルの付け方ねぇ」
と、感心しましが、それ以外については、どこかで読んだり、見た事のあるエピソードの連続なので、私は、少々がっかりしました。
それにもかかわらず、絵や漫画化の仕方が、ずば抜けてうまいので、かなり読ませる作品に仕上がっています。
それから、フランス人にとってドイツ軍占領下の話は、日本人の原爆にまつわる話と同じで、何を書いても、ある程度の受けをとれる様で、フランス人の間ではかなりいい評判を得ているみたいです。
私には、絵の出来とストーリーの出来のギャップが、大きいのが、とっても残念に思えて仕方がありませんでした。
これだけ才能に溢れる絵なのに・・・
と、絵があまりにうますぎるので、他の作品に比べるとストーリーに関して少々辛めの批評をしてしまいたくなるのでした。
Gibratファンの方ごめんなさい。
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日本語の本が入手しづらい環境にありながら、活字中毒症から抜け出す事が出来ないため、フランス語の本を読んでいます。
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もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m
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