Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

アンデルセン童話を元にした傑作漫画

Coup de coeur

「L'Histoire d'une mère」

histoire d'une mere
  原作       : Hans Anderson
著者 : Peter Madsen
翻訳 : Marie Anthoine
出版社 : Delcourt
ISBN-10 : 284789599X
ISBN-13 : 978-2847895995
表装 : ハードカバー(24x1x32)61頁
 

 本の内容☆☆☆16/20
 フランス語難易度易しい
 読みごごち♪♪♪ すらすら読めました

(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)



アンデルセンの童話「ある母親の話」をデンマーク人の漫画家が、漫画にした作品。

アンデルセンの童話は、暗い話が多いけど、その中でも、死神に連れ去られた子供を求め旅に出る母親を描いたこの話は、真っ暗な底なし井戸に突き落されたような読後感の救いようのないほど暗い話だと思います。

そんな話をあくまでも原作に忠実に、かつ、芸術的に、漫画という形で再現しています。

アンデルセンがまだ生きていて、この漫画を読んだら、涙を流して喜ぶのではないか、と思われるような素晴らしい出来だと、私は思いました。

過去に、この作品を題材にした絵本を何冊か読んだことがありますが、そのどれよりも、強烈な印象を残した作品です。

漫画、という形をとっていますが、漫画というより、水彩画と形容した方がいいような絵。

又、クラシックな漫画のコマワリの仕方から離れ、ページを自由に活用しているので、漫画というより、目で鑑賞する小説と形容した方がぴったりくるみたいな作品に仕上がっています。

テキストは最低限に抑えられています。 言葉で説明しなくても、絵が饒舌なので、子供を死神に連れ去られた母親の絶望と苦悩が、読むものの心にビシビシと伝わってきます。

オリジナリティーが高い作品なので、イラストや絵の勉強をしている人には、参考になる作品なのではないかと思いました。

とても芸術的な、完成度が高い作品なのですが、原作に忠実なだけあって、底なしに暗い作品です。
落ち込んでる時に読んだら、マイナスの2乗で元気になれるかもしれないなんて、思ったくらいの暗さ。
でも、もしかしたら、余計、落ち込んでしまうかもしれないので、ブルーな気分の時には、読まないほうがいいかもしれません。

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