フランス語圏のアフリカの作家の作品集
2006-05-31
「Dernières nouvelles de la Françafrique」
出版社 : VENTS D'AILLEURS
ISBNコード : 2911412257
表装 : ソフトカバー、224頁
| 本の内容 | ☆☆ | 14/20 |
| フランス語難易度 | ##♯ | 難しめ |
| 読みごごち | ♪ | しんどかったです |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
フランス語圏のアフリカの作家の短編が13編収められている作品集。
タイトルにある「Françafrique」という、言葉が示している様に、どの作品も、フランスとアフリカの国々の関係がテーマとなっています。
この本を手にした時、アフリカの心があたたかくなるような短編小説が読めるかと期待していたのですが、その期待は見事の裏切られました。
ページをめくってゆくうちに、アフリカの作家たちは、これほどにまで、フランスに恨みを持っているの、それ程、フランスは酷い事をアフリカでしてきたのか・・・
と驚愕しました。
そんな現実を知らずに、フランスの植民地政策が「有益な所もあった」と教科書に明記する様、推奨する法律を制定しようと試みた、フランス政治家の無知とずうずうしさには、「こりゃぁ、まるで、どこかの島国の政治家と同じねぇ」と、呆れました。
短編集だからと、軽く見ていたのですが、読み始めて、気軽に読めるタイプの本でない事に気づきました。
200ページちょっと、おまけに作家紹介や、作品の間に真っ白なページがあるので、読むところが少ないこの本1冊読むのに、私は、1ページに印刷された活字の数が倍以上で、全部で400ページあるGrishamの「Dernier juré」を読むのより、時間がかかってしまいました。
アフリカ諸国の人々のフランス、あるいはヨーロッパ政府に対する、うらみつらみがつづれれており、内容が暗いので、あまり嬉々としてページをめくってゆけるものでないし、又、読みやすいとは言えない文章で書かれている作品がいくつもあって、中々この本を手に取る気にはなれませんでした。
それから、かつて、フランスの植民地であった、アフリカの国の歴史や、現在のフランスとの関係についての基礎知識がないと分かりにくいところが出てて来ます。
そんな訳で、とても短い作品ばかりなのに、私は、読み終えるのに苦労しました。
とにかく、気軽に、気晴らしの読むタイプの本ではないけれど、じっくりと、フランスとアフリカ諸国の関係を考えたい時に読むのに適している本だと思います。
又、各作品の前に、詳しい著者紹介が記載されているので、フランス語圏のアフリカの作家について、知識を深めることも出来ます。
この作品集の中で、特に私の目を引いた作品は、現地語を話すと罰としてのマークを首からさげることを強制されているフランス学校に通う子供の話。「Le symbole」
この作品集で、唯一、明るいトーンで書かれている作品で、ヨーロッパの知識人をメチャおちょくった「Les pets de Pierre Casanova」
とても皮肉な、ラストで、フランス人だけでなく、アフリカのゲリアも嘲笑する「Le Français doit partir」。
これは、好みの問題だと思いますが、全面的に、フランスやヨーロッパ人に対する批判を押し出すのではなく、フィクションが持つ力を利用して、投げかけたいメッセージをさりげなくストーリーの中に織り込み、読者の心に訴えかけようと試みた、これらの作品は、他の作品より、私の心に強く響きました。
この作品集の目次は追記しますので、興味のある方は、read more をクリック。
「Dernierès nouvelles de la Françafrique」
Sommaire
Préface
----- Emmanuel Dongala
Vous avez demandé la Françafrique?
----- Romuald Fonkoua
Le symbole
----- Sayouba Traoré (Burkina Faso)
Les silences du commanant Maîtrier
----- Kangni Alem (Togo)
Le journal de jour du docteur Valombreuse
----- Abdourahman A. Waberi (Djibouti)
La Dame Etoîle
----- Eugène Ebodé (Cameroun)
Le Français doit partir
----- Dave Wilson (Bénin)
Hypnose
----- Ange-Sevrin Malanda (Congo-Brazzaville)
Notes de Moustwafa S. sur la mort du citoyen Kader
----- Soeuf Elbadawi (Comores)
Ici, il n'ya pas le feu
----- Tanella Boni (Côte-Ivoire)
Les pets de Pierre Casanova
----- Camille Amouro (Benin)
Histoire fausse
----- Yahia Belaskri (Algérie)
Même le soleil a pleuré...
----- Jean-Jacques Séwqnou Dabla (Togo)
Prosper
----- Raharimanana (Madagascar)
Le silence... en parole
----- Diogène Ntarindwa (Rwanda)
Hommage à Mongo Beti
----- Odile Biyidi-Awala (Cameroun)
La "Françafrique" en bref
----- François-Xavier Verschave


