フランス出版社の依頼により日本人現代作家が書いた東京
2006-05-19
「Tokyo électrique」
編者 : Corinne Quentin
出版社 : Philippe Picquier
ISBNコード : 2877308359
表装 : ペーパーバック(11x17)288頁
| 本の内容 | ☆☆ | 12/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪ | まあまあ |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
フランスの出版社の依頼により、現代の日本を代表する作家が書き下ろした、東京の街が舞台の短編小説を 集めた、オムニバス作品集。
村松友視が、ちょっと過去にワケアリの女性を話題に、飲み屋で語り合う深川に住む男性達の姿を書いた「Yumeko」
盛田隆二による、新宿の風俗で働く東南アジア人の女の子と予備校生の話「Les Fruits de Shinjyuku」
林真理子が、青山を舞台に、流行を追いかけ、恋人すら人の目を通してしか、判断することの出来ない女性の姿を描いた 「Amants pour un an」
椎名まことによる、現座の真ん中でテントを張って生活する羽目になったサラリーマンが主人公のちょっと変わった視点から銀座を描いた「La tente jaune sur le toit」
藤野千夜による、パニック症状の主婦を中心にそえ、下高井の交番と新宿都庁テーマにした「Une ménagère au poste de police」
欧米人の目から見た東京は、エキゾティックな国際都市の様、色々な国の作家が、東京や日本を舞台にした作品を書いています。
この手の作品は、外国人から見た日本を知るという意味では、いいかもしれませんが、読んでいて、「日本の滞在経験がない人がこれを読んで、そのまま鵜呑みにされたら、ちょっとねぇ・・・」という、描写にぶつかることが皆無だとは言えません。
そんな意味では、この企画は、日本の現代作家をフランスに紹介すると同時に、日本人から見た現代の東京の姿をフランス人に伝えることが出来るので、中々優れた企画だと思いました。
私は、個人的には、銀座を変わった角度から書いた、椎名まことの「La tente jaune sur le toit」が、一番のお気に入り。
企画はとってもいいのですが、私としては、町と作家の選出には、ちょっと不満。
盛田隆二の新宿も悪くないけれど、私は、新宿は、やはり、「不夜城」の馳 星周に書いてもらいたかったし、
「池袋ゲートパーク」シリーズの石田衣良が書く池袋は、MUST。現在の東京の若者を語る上では絶対外してもらいたくない。
あと、浅草界隈の下町は、やはり、宮部みゆきに書いてもらいたかったなぁ。
それから、日本の政治経済を支える兜町や、丸の内がないのは片手落ち。ここは、清水一行あたりの経済小説に強い作家に依頼したい。
それから、お屋敷が並ぶ、成城か、田園調布も東京の一部。これは、お嬢様が大人になるイニシエーション小説を欠かせたらピカイチの渡辺容子に、
又、それとは対照的な山谷街、も欠かすわけにはいかないし・・・
等と、ベットの中で考え始めたら、目がさえてきてしまい、眠れなくなってしまいました。
この本の日本語版は東京小説
日本語版と合わせて読めば、仏作文の勉強にもなるかもしれませんね。
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