やっぱりベナキスタはすごい!
2006-05-12
「Quelqu'un d'autre 」
著者 : Tonino Bénacquista
出版社 : Folio (Gallimard )
ISBNコード : 2070301028
表装 : ペーパーバック(11x18)377頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 16/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
パリのテニスクラブで、偶然、いっしょにプレーをした、見も知らぬ二人の男、Thierry 40歳と Nicola39歳。
プレーの後、バーで、アルコールを手に、談話している時、ほろ酔い加減が手伝ったのか、Thierry が、
「3年で、全く赤の他人になる事が出来るかどうか、賭けをしようじゃないか」と、Nicola に持ち掛ける。
とっさに、断る事が出来なかったため、Nicola は、この奇妙な賭けに引き込まれる事になってしまった・・・
故意に、他人になろうとした男と、ほんのちょっとしたきっかけから、今までの自分と違った人間になってしまった、二人の男の物語。
子供の頃からの夢であった探偵となるため、今までの人生に決別をつけたThierry。
テニスクラブで飲んだアルコールをきっかけとして、自分でも気がつかないうちに、大胆になって行き、思いがけない幸運を手にするNicola 。
この、Thierry とNicola の二つの話が平行して語られていますが、私は、意図せずに、どんどん変わっていく、Nicola の物語の方が、とてもおもしろく感じられました。
作中人物の言葉を通して、著者の人間に対するやさしさが、ビシビシと伝わって来た作品でした。
Benacquista が、お得意の、現代のおとぎばなしといった様な雰囲気がちょっとある、洒落たストーリーです。
最後のおちは、Benacquista の他の作品に比べると、少々劣るけれど、それ以外は、かなり楽しめた本です。
Benacquista の作品は、本当にはずれがないなぁと、再度、感心しました。
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