絵、読みやすさ、ストーリーが3拍子そろった、おすすめフランス漫画
2005-12-28
無事、パソコンが修理から返って来たので、ブログ再開します。o(^o^)o
故障の原因は、良く分らなかったけど、なんでも、マザーボードを交換したとか・・・
保障期限内でホント良かったです。(^^;)
Coup de coeur
「Coeur Tam-Tam」
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
フランスのとある田舎に、掘っ立て小屋を建てて住んでいる、
Eugèneは、アフリカ帰り。
風変わりな初老のEugèneは、村人や子供たちの嘲笑の的。だけど、彼は、ちっとも気にしない。
そんな彼が住んでいる村は、石油精製工場建設の計画の話題で持ちきり。自分たちの土地が高い値段で売れ、村の財政も潤うるため、村人たちは、この計画を大歓迎。
だから、村人達は、自分の所有している土地を、石油精製会社に売る事を断固として拒否しているEugèneに、色々とプレッシャーをかけるけど、Eugèneの考えは変わらない。
そんなある夜、Eugèneの小屋に、何者かが忍び込んで来た。
私が今一番気に入っているフランスの作家、Tonino Benacquistaの短編をBD化した作品です。
いやぁ、おもしろかったです。
現代のおとぎばなし、といった感じのストーリーです。
作中人物や、背景の絵も、くせが強くなく、好感が持て、とっても良くストーリにマッチしています。
テーマとなっているアフリカを、ほんのりと思わせる色使いも素敵。
ストーリーは、原作が Benacquista なので、はずれる事はないと思っていたけど、やはり、その期待は裏切られず、ワハッハと笑い、しみじみ幸せな気持ちになりました。
私は、この作品の原作がまだ未読なのですが、 Benacquistaファンとしては、原作を読んでから、この漫画を読みたかったという感じがします。かなり良く漫画化されているのですが、漫画で表現されていない所が、原作だと、どう描写されているのか気になって仕方がありませんでした。
絵も悪くないし、とても読みやすいし、ストーリーも、かなりいける、と3拍子そろったBDには珍しい作品です。
「何か読みやすいフランス語の本はないかしら?」と思っているあなた、又、「フランスの漫画を読んでみたいけど、どれを選んでいいのかわからない」なんて思っている、あなたに、是非お勧めしたい漫画です。
折角、パソコンが返ってきたのだけど、年末から年始にかけて、家を空けるため、今年のブログ更新は、これが最後になります。
来年の初めには、2005年に紹介した本で、特に印象に残っている本の特集を予定しています。
(だから、忘れないで遊びに来てね)
皆様、どうぞ、よいお年をお迎え下さい。
Tonino Benacquistaの著作に関する記事
【漫画(ストーリー)】
【小説】
故障の原因は、良く分らなかったけど、なんでも、マザーボードを交換したとか・・・
保障期限内でホント良かったです。(^^;)
Coup de coeur
「Coeur Tam-Tam」
著者 : Tonino Bénacquista
作画 : Berlion
出版社 : Dargaud
ISBNコード : 2205054015
表装 : ハードカバー(24x1x33)64頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 17/20 |
| フランス語難易度 | # | 易しめ |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
フランスのとある田舎に、掘っ立て小屋を建てて住んでいる、
Eugèneは、アフリカ帰り。
風変わりな初老のEugèneは、村人や子供たちの嘲笑の的。だけど、彼は、ちっとも気にしない。
そんな彼が住んでいる村は、石油精製工場建設の計画の話題で持ちきり。自分たちの土地が高い値段で売れ、村の財政も潤うるため、村人たちは、この計画を大歓迎。
だから、村人達は、自分の所有している土地を、石油精製会社に売る事を断固として拒否しているEugèneに、色々とプレッシャーをかけるけど、Eugèneの考えは変わらない。
そんなある夜、Eugèneの小屋に、何者かが忍び込んで来た。
私が今一番気に入っているフランスの作家、Tonino Benacquistaの短編をBD化した作品です。
いやぁ、おもしろかったです。
現代のおとぎばなし、といった感じのストーリーです。
作中人物や、背景の絵も、くせが強くなく、好感が持て、とっても良くストーリにマッチしています。
テーマとなっているアフリカを、ほんのりと思わせる色使いも素敵。
ストーリーは、原作が Benacquista なので、はずれる事はないと思っていたけど、やはり、その期待は裏切られず、ワハッハと笑い、しみじみ幸せな気持ちになりました。
私は、この作品の原作がまだ未読なのですが、 Benacquistaファンとしては、原作を読んでから、この漫画を読みたかったという感じがします。かなり良く漫画化されているのですが、漫画で表現されていない所が、原作だと、どう描写されているのか気になって仕方がありませんでした。
絵も悪くないし、とても読みやすいし、ストーリーも、かなりいける、と3拍子そろったBDには珍しい作品です。
「何か読みやすいフランス語の本はないかしら?」と思っているあなた、又、「フランスの漫画を読んでみたいけど、どれを選んでいいのかわからない」なんて思っている、あなたに、是非お勧めしたい漫画です。
折角、パソコンが返ってきたのだけど、年末から年始にかけて、家を空けるため、今年のブログ更新は、これが最後になります。
来年の初めには、2005年に紹介した本で、特に印象に残っている本の特集を予定しています。
(だから、忘れないで遊びに来てね)
皆様、どうぞ、よいお年をお迎え下さい。
Tonino Benacquistaの著作に関する記事
【漫画(ストーリー)】
【小説】
ブログお休みのお知らせ
2005-12-12
ノートパソコンが故障てしまいました。!(T_T)
買ってから3ヶ月も経っていないのに・・・
電源関係の部分に問題があるのではないか、との事です。
こんな事が起こらない様、少々奮発して、日本のメーカーのものを選んだのですが・・・
日ごろ、日本製品の品質を自慢してる立場上、非常に恥ずかしい思いをしています。
…(;>_<;)
そんな訳で、この記事も頼み込んで借りたパソコンを使って書いています。
修理には、少なくとも今年一杯かかるとの事なので、泣く泣く、ブログは今年一杯お休みする事にします。
パソコンが修理から戻り次第、ブログ、再開する予定ですので、どうぞ、忘れないで来年になったら又、遊びに来て下さいね。
どうぞ、楽しいクリスマスと、よいお年をお迎え下さい。m(_ _)m
買ってから3ヶ月も経っていないのに・・・
電源関係の部分に問題があるのではないか、との事です。
こんな事が起こらない様、少々奮発して、日本のメーカーのものを選んだのですが・・・
日ごろ、日本製品の品質を自慢してる立場上、非常に恥ずかしい思いをしています。
…(;>_<;)
そんな訳で、この記事も頼み込んで借りたパソコンを使って書いています。
修理には、少なくとも今年一杯かかるとの事なので、泣く泣く、ブログは今年一杯お休みする事にします。
パソコンが修理から戻り次第、ブログ、再開する予定ですので、どうぞ、忘れないで来年になったら又、遊びに来て下さいね。
どうぞ、楽しいクリスマスと、よいお年をお迎え下さい。m(_ _)m
海にまつわる仏ブルターニュ地方の民話
2005-12-09
「Les contes du Korrigan, tome 3 : Les fleurs d'écume」
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
妖精コリガンが、フランス、ブルターニュ地方にまつわる民話を語る「Contes du Korrigan」シリーズの第三巻では、海にまつわる3つの伝説が語られます。
第1巻の第1話のTam と Awen のお話の続き。めでたく、Awen と結婚出来て、村の首領に選ばれた Tam。幸せな日々が続きますが、Tamに与えられた屈辱が許せない海に住む、妖精Morganは、村の元首領の息子に、ある提案を持ち掛けます。
海賊船に囚われていた、人魚と恋に落ちた若い船長の話。
誤って海に落ちてしまったところが、海王の息子に一目ぼれされた、女の子の話。
海にまつわる話で、悲しいお話が多いのは、どうして?
海と共に生きていた、ケルト人は、海に恐れをいだいていたから?
でも、なぜか、悲しいお話というのは、ハッピーエンドよりも、心に残る様な気がします。
第2巻に比べるとストーリーも絵もレベルアップ。民話が好きな私には、楽しめた本でした。
関連記事
ストーリー : Erwan Le BRETON, Ronan Le BRETON
作画 : Jean-Luc ISTIN , Frédéric Peynet 他
着色 : STAMBECCO , Diane BRANTS
出版社 : Soleil Production
ISBNコード : 2845656734
表装 : ハードカバー(23x1x32)48頁
| 本の内容 | ☆ | 10/20 |
| フランス語難易度 | # | 易しめ |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
妖精コリガンが、フランス、ブルターニュ地方にまつわる民話を語る「Contes du Korrigan」シリーズの第三巻では、海にまつわる3つの伝説が語られます。
第1巻の第1話のTam と Awen のお話の続き。めでたく、Awen と結婚出来て、村の首領に選ばれた Tam。幸せな日々が続きますが、Tamに与えられた屈辱が許せない海に住む、妖精Morganは、村の元首領の息子に、ある提案を持ち掛けます。
海賊船に囚われていた、人魚と恋に落ちた若い船長の話。
誤って海に落ちてしまったところが、海王の息子に一目ぼれされた、女の子の話。
海にまつわる話で、悲しいお話が多いのは、どうして?
海と共に生きていた、ケルト人は、海に恐れをいだいていたから?
でも、なぜか、悲しいお話というのは、ハッピーエンドよりも、心に残る様な気がします。
第2巻に比べるとストーリーも絵もレベルアップ。民話が好きな私には、楽しめた本でした。
関連記事
- 「Les contes du korrigan, tome 1 : Les trésors enfouis」

- 「Les contes du Korrigan, tome 2 : Les mille Visages du Diable」
- 「Les contes du Korrigan, tome 3 : Les fleurs d'écume」

- 「Les contes du Korrigan, tome 4 : La pierre de Justice」

- 「Les contes du Korrigan, tome 5 : La pierre de Justice」

- 「Les contes du Korrigan, tome 6 : Au pays des Highlands」

- 「Les contes eu Korrigan, tome 7 : L'Assemblée des bardes」
- 「Les contes eu Korrigan, tome 8 : Les noces féerique」
フランス民話に見る悪魔と人間の対決
2005-12-08
ストーリー : Erwan Le BRETON, Ronan Le BRETON
作画 : Jean-Luc ISTIN, Frédéric GAETA 他
着色 : STAMBECCO, Elsa BRANTS
出版社 : Soleil Production
ISBNコード : 2845654839
表装 : ハードカバー(23x1x32)52頁
| 本の内容 | ☆ | 7/20 |
| フランス語難易度 | # | 易しめ |
| 読みごごち | ♪♪ | .まあまあ |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
小人の妖精コリガンが、フランス、ブルターニュ地方に伝わる民話を語る、「Contes du Korrigan」シリーズの第2巻。
この巻では、小人の妖精Korrigan と le Cornik と呼ばれる悪魔との対決がテーマ。
鍛冶屋が知恵を使って le Cornik をへこませる「Le Forgeron」
Korrigan女王の手助けを借りて、見事に le Cornik の罠から逃れることに成功した、粉屋の話「 Au Moulin manque une pierre」
le Cornik と Korriganが知恵比べをする「Le Diable et les Korrigans」
そして、le Cornik に悪知恵をふくまされ、純粋な若者を騙そうとした、腹黒な男の話「Les Menhirs de Plouhinec」
以上の4つのお話を、第1巻の様に、Korriganが、読者に向けて語ってくれます。
敬虔なキリスト教徒の魂を手に入れようと、色々な手を使って、言い寄ってくる le Cornik。
Korriganの助けを借りたり、自分の知恵を使ったりして、人間は、le Cornikの罠をうまくかわし、le Cornikに一泡吹かせる事に成功します。
この第2巻に収録されているお話の大部分は、どこかで、聞いたような内容ばかりで、新鮮さに欠けますが、「Les Menhirs de Plouhinec」は、結構おもしろかったです。
数人の漫画家が漫画化を担当しているのですが、中には、読みやすいとは言い難いお話もありました。
子供には、いいかもしれませんが、大人の読者は、少々物足りなく感じるかもしれないなぁという感じを受けました。
全体的に、第1巻と比べるとレベルダウンしたような気がしないでも・・・。
「第1巻の成功に気をよくしないで、もっと気合を入れてよ!」
と言いたくなりました。
関連記事
- 「Les contes du korrigan, tome 1 : Les trésors enfouis」

- 「Les contes du Korrigan, tome 2 : Les mille Visages du Diable」
- 「Les contes du Korrigan, tome 3 : Les fleurs d'écume」

- 「Les contes du Korrigan, tome 4 : La pierre de Justice」

- 「Les contes du Korrigan, tome 5 : La pierre de Justice」

- 「Les contes du Korrigan, tome 6 : Au pays des Highlands」

- 「Les contes eu Korrigan, tome 7 : L'Assemblée des bardes」
- 「Les contes eu Korrigan, tome 8 : Les noces féerique」
史実は作り話より、ずうっとロマンティクで、残酷という見本の様な6つのお話
2005-12-07
「Suite italienne 」
著者 : Juliette Benzoni
出版社 : Pocket
ISBNコード : 2070309215
表装 : ペーパーバック(11x18) 288頁
| 本の内容 | ☆☆ | 11/20 |
| フランス語難易度 | ♯♯ | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
ルネッサンス時代のイタリアの名家にまつわる実話を小説に脚色した6つの話が収録されている短編集。
舞台は、ローマ、フイレンツェ、フェラーレ、ミラノ、ナポリ等のイタリアの都市。ボルジア家、メディシス家 、エステ家、 カッペロ家、スフォルツァ家 、キャラファ家、ヴェノーザ家で、実際に起こった事件を小説にした作品です。
史実は、作り話より、ずうっとロマンティクで、残酷という見本の様な逸話が、文献を元に、見事な、筆力と想像力で、描かれています。
愛してしまったら、命にかかわると知っていても、止めること事が出来ないのは、イタリア人の悲しい性なのでしょうか。
また、裏切りに対する、残酷な仕打ちも、激しい情熱の裏返し?
私は、塩野七生の作品で、ここに取り上げられている、逸話を読んだ事があるのですが、史実の解釈が、微妙に違っている所、とても面白く感じられました。
この本の1番初めに書かれている、ボルジア家の章には、あの悪名高き、法王アレクサンドラ・ボルジアが出てきますが、この法王の神を神とも思わぬ、人間くさすぎる振る舞いには、法王という地位にあるからといって、神性があるのだとは、限らないという事を痛感しました。
フランス人の中には、カトリック教会を盲信している人がいて、時には、辟易されます。そんな人たちに、ローマカトリック教会も、めっちゃくちゃ、いい加減な時代があったんだよぉと、教えてあげたい時には、この本をプレゼントする事をお勧めします。
(ただし、そのせいで、人間関係が壊れてしまっても、私は責任を取れませんので、あしからず)
Juliette Benzoniのその他の著作に関する記事
小粒ながら光っている秀作、とても面白かったです!(^^)!
2005-12-06
Coup de coeur
「L'homme de la frontière」
著者 : Martine Marie Muller
出版社 : Rober Laffont
ISBNコード : 2221104285
表装 : ペーパーバック(14x1x22)155頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 17/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
東ドイツと西ドイツの国境にベルリンの壁が建てられようとしている。そんな事を露も知らない、東ドイツに住む主人公のFrantzは、じゃがいもを盗もうと、国境を越え、西ドイツへ足を踏み入れる。じゃがいもが入った袋をかついで、帰路へ着こうとしたFrantzは、男たちが、レンガや、コンクリーブロックを手にして働いているのに、目を奪われ、西側の警察に捕まってしまう。
その後、Frantzは西側のVille neuveと呼ばれる町の住民として身分証明書を得、政府の研修所で、18ヶ月の間研修を受けた後、警察官として働き始める。
ハンサムで、どことなく女性の心をくすぐるFrantzは、周りの女性から、アプローチを受けたり、パーティーで知り合った上流階級の令嬢達に思いを寄せられるが、彼の心は動かない。
そんな、Frantzが選んだのは、Evaという名の前科のある女性だった。
東ドイツと西ドイツがまだ、分かれており、自由に行き来が出来なかった時代のお話。
当時は、夜にこっそりと壁を越えて西側へ渡ろうとして、銃殺された人がいたそう。その頃の状況が頭にないと、この話は、今ひとつピンとこないかもしれません。
ベルリンの壁に阻まれて、別離を余儀なくされた人達のお話かと思い、あまり、期待せずに読み始めたのですが、そんな予想をはるかに上回り、かなり楽しめた作品でした。
どんな風に楽しめたのか、ここでお話してしまうと、読むときの楽しみが激減してしまうので、ここには書きませんが、作品の細かいところまで、考え抜かれた、なかなかよく構築された作品です。
作中、Frantzが西側で作った唯一の友人、身障者のための犬を訓練しているRalfとのエピソードが何気なく書かれています。
作品の後半にさしかかったあたりで、初めて、このエピソードが一種の伏線になっていたことに気がつきました。なかなか、しゃれてるプロットです。
だけど、書簡の形を取っているエピローグが、それまでの、作品のトーンとは全く違い、あまりに説明的過ぎなのには、興ざめしてしまいました。主人公達の胸のうちを読者にどうしても、伝えたいのなら、別のやり方があったはず。それまでが、とても良かっただけに、エピローグの部分が、もっと違った形で表現されていたなら、もっとこの本に対する評価が上がったのにと、残念な気持ちになりました。
この手の小説は、読む時の楽しみを損なわずに作品の魅力を伝えるのが大変難しいので、紹介をするのに苦労します。
この本の裏表紙に書かれている紹介文を読んでから、作品を読むと、おもしろさが半減してしまうので、出来るなら、裏表紙は読まずに、直接、作品の本文からお読みになられることをお勧めします。
紹介文を書いた、編集者もかなり苦労したみたいですねぇ。
この本を読み終わったとき、「掘り出し物とはこの手の本のことをいうのかしら?」と思いました。とにかく、小粒ながら光っている秀作で、全体的に、テンポがあり、とても読みやすい作品です。
なにか面白い本をお探しの方にお勧めします。
Martine-Marie Muller の他の著作に関する記事
地味だけど、心に残るフランス漫画
2005-12-02
Coup de coeur
「Chute de vélo」
著者 : Etienne DAVODEAU
出版社 : Dupuis
ISBNコード : 2800135395
表装 : ハードカバー(24x1x31)80頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 18/20 |
| フランス語難易度 | 易しい | |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
Jeanneの母親Irèneは、老人ホームで暮らしている。彼女が住んでいた家を売ることになったため、Jeanneと彼女の配偶者と子供たち、Jeanneの弟 Simonは、夏休みを利用して、荒れほうだいになっていた母親のの家をなるべく、売れやすくするため、整理清掃することにした。
そんなわけで、Jeanneと彼女の配偶者と子供たち、Simon、そしてIrèneに、友人のToussantが加わって、Irèneの家で過ごす最後の夏休みを送ることになった。
Irène家の前では、左官工が、見習いと二人で工事をしている。
始終親方に怒られている、見習い、そんな彼らの様子を子供たちは、鎧戸の隙間から覗き見している。
腹に据えかねた見習いが、親方のサンドイッチに、つばをはきかけるのを、目にした子供の一人が親方に、告げ口をしたことから、思わぬ波紋が起こり、Irèneの家族にまつわる、秘密が顔を出し始める。
優美とは、言いがたいけれど、決して不快感を感じさせない、リアリティーの力を感じさせる、タイプの達者な絵。
人物描写は、似顔絵風な絵柄です。ちょっとくせがあるけれど、なかなか、味のある絵ですよ。
又、背景が、とても細かく丁寧に描かれているのにも、好感が持てます。あわい水彩画を思わせる色使いもとても素敵。
そして、フランス漫画にしては、珍しく、読むところが少なくて、コマとコマの間の流れもスムーズで、大変読みやすかったです。
そして、地味だけど、心にしみこむようなストーリー。
頁をめくっていくと、一見すると普通に見える人たちにまつわる、隠された事実が、次第に明らかになって行きます。
この本の中に
「私は、彼らに助けられることで、彼らを助けた」
という、せりふが出てきますが、これって本当、名言だと思います。
人を助けるという事は、自分が役に立てるという事を確認できて、自尊心を満たすことが出来ます。だから、人に助けられてあげる事で、逆に、人を助けることになる。誰かを助けてあげたつもりが、実は、それで自分が助けられいた、なんて事、きっとあるはず。
この本を読んだ後で、この本を読んだ人と、本の内容について、色々と語り合い、話しに花が咲きました。
読んだ後、誰かと分かち合いたくなるタイプの本です。
派手さや、あっという驚きはないけれど、さりげなく、心の奥の襞を揺らせる、そよ風のような漫画です。
今年、私が読んだBDの中で、ベスト5に入る名作です。
Etienne Davodeauの著作に関する記事
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