地球の温暖化と、アフリカの旱魃がテーマの問題SF小説
2007-01-28
謎の伝染病から免れ、生き残った一握りの人間達を描いたフランスのSF
2006-05-09
「Le monde enfin」
著者 : Jean Pierre ANDERVON
出版社 : Fleuve noir
ISBNコード : 2265082309
表装 : ソフトカバー(14x23) 483頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 16/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪ | まあまあ |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
ESHと命名された謎の伝染病により、多くの人々が死に、混乱の中、核ミサイルが発射され、地球上の人類は、殆ど死に絶えた。
わずかながら、生き残った人々はいたが、伝染病の影響で、全ての女性が不妊症にかかっており、人類は、絶滅するものかと思われた。
そんな地球に生き残った人々と、地球の姿を描いた力作。
殆どの人が死に、静まり返ったパリで出会った、青年Antoineと若き考古学者Sébastion と、9歳の少女Laurence。
彼らは、Laurenceの希望に従い、動物園の動物を開放する。
その後、Sébastionは、Laurenceの後見人として、彼女の世話をすることになる。
それから、約20年後、Sébastionは、成長したLaurenceに付き添い、アフリカに赴くが、突然、サバンナの真ん中で、Laurenceは、失踪してしまう。
それと平行して語られる、中年女性Anneの話し。彼女は、不妊症が治ったことに気づき、子供を生むため、男性を求めてフランス中を旅する。
それからさらに、13年後、
軍管理の隔離施設で目覚めた、施設の中で唯一の生き残ったPaul。
未知の惑星探検のため、宇宙船に乗り込んだが、45年後に目覚めてみたら、地球の上から動いていなかったことに気づいた、4人の宇宙飛行士。
これらの人々が、人が死に絶えてしまった、地球で、どの様に、生きていったのかを、描いた全部で483ページあるSF大作。
読者の頭に直接アプローチする鋭く、そしてスピーディーな語り口のDan Brownの 「Deception Point」(私は「Davinci code」より、楽しめました)を、この本の前に読んだせいか、読み始めた当初は、この作品の語り方が、とてもまどろっこしく感じられ、少々イライラしながらページをめくりました。
この作品は、始めの2,30ページで、読者を虜にしてしまう作品ではありません。
まあ、初対面の印象はあんまり良くなくて、とっつきにくそうだけど、良く付き合ってみたら、とってもいい人、そんな感じの、少々辛抱して、読んでみることが必要な本だと、私は思いました。
作品のテーマと、結論に、斬新さはないのだけど、それに至るまでの過程が、なかなかスゴイ。
中には、少々退屈な下りもありますが、生き残りの人間達の様子には、心拍迫ってくるものがありました。
特にAnneと『ねずみの王女様』となるその子供の運命、彼女らが辿ったすさまじい生き様を語った迫力ある表現力には、驚愕しました。
エコロジーなんていう、人間中心の環境保護という観念を超えて、本当に地球と自然と人間の関係を考えてみたいとお思いの方にお勧めしたい、SF大作です。
フランス製SFもすてたもんじゃない!と、つくづく思いました。
書き忘れましたが、ねずみに関するかなりリアルな表現が出てくるので、ねずみ恐怖症の方は、読まないほうがいいかも・・・
X-FilesのようなフランスのSF小説
2006-04-03
「Stratagème」
著者 : Jacques Vallée
出版社 : L'Arcipel
ISBNコード : 2841877779
表装 : ソフトカバー(14x21) 256頁
| 本の内容 | ☆☆ | 12/20 |
| フランス語難易度 | #♯ | 難しめ |
| 読みごごち | ♪♪♪ | すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
この小説の主人公、Robert は、Nanotronicsという、シリコンバレーのハイテク企業の社長、Markの片腕で、学生時代からの親友。
Nanotronicsが新製品開発に成功し、株式市場に上場が決まったので、忙しくなる前に、リフレッシュし、一息つくため、Markは、息子と一緒にアマゾン河のクルーズに出かけることにした。Markの願いを受け入れ、ヨット操縦の経験があるRobert も、彼らと一緒に旅をすることなる。
ところが、ある夜、アマゾン河に、巨大な光り輝く物体が飛び込み、この衝撃で、彼らが乗ったヨットが沈没する。
Robert と、Markは、命からがら、救い出されたが、Markの息子、Rickyは帰らぬ人となってしまう。
傷ついた心をかかえ、アメリカへ帰った二人は、ヨット沈没の原因となった、巨大な光り輝く物体の正体が何であるかを知るために、あちこち、つてを辿って、調査をする。
政府、軍隊の上層部が何かを知っているが、隠していると、確信した二人は、ある計画を実行へ移す準備を始める。
私、空飛ぶ円盤は全く信じていないのですが、それを信じている人達がどうして、それを信じる事になったのかには、とても興味があります。
詳しく書くとネタバレになってしまうので、あまり書けないのが残念なのですが、この小説では、その疑問に対して、新しい解答を与えてくれました。
読みやすくて、テンポが良くて、ちょっと、アメリカ製テレビドラマ「X-Files」のような感じのする作品でした。
だから、その手のフィクションが好きな方には、気に入っていただける作品ではないかと思います。
この小説、まあ、SF、作り話、として読めば、楽しいひと時を過ごせるので、それはいいのですが、かなり、リアリティーがあるので、空飛ぶ円盤を、まともに信じている人達が読んだら、余計はまってしまうのではないかしら・・・
と、ちょっと心配になりました。
これと言った、斬新さはない作品ですが、テンポがよくて、読みやすいので、疲れていて、あまり頭を使いたくない時に、くつろぎながら読むのに最適な小説だと思います。
フランス語文法の国のおとぎ話
2005-10-11
「Les chevaliers du subjonctif」
著者 : Erik Orsenna
出版社 : Le Livre De Poche (LGF)
ISBN-10 : 2253114340
ISBN-13 : 978-2253114345
表装 : ペーパーバック(11x1x18) 181頁
| 本の内容 | ☆☆ | 14/20 |
| フランス語難易度 | # | 易しめ |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
「La grammaire est une chanson douce」の続編。
元騎手の地図作製者と共に Jeanne は、デルタプランで、不思議な島の地図を作りに出かけます。
Jeanne 達は不定法、命令法の島をめぐった後に、接続法の島へ不時着してしまいます。
そこで、Jeanne は、接続法とは、何であるのか、知る事になるのでした。
あの、しちつまらない、フランスの文法を擬人化して、こんなに、素敵な物語を作ってしまう、そのお手並みには、再度、感歎。
フランス人の子供も、頭を悩ます、接続法が、今回のテーマ。
接続法は、可能性の世界だって知ってましたか?
前作の様に、文法をわかりやすく表現した、
「 Le savoir、や le sourire っていう名詞は、元は、動詞の不定形だったのだけど、動詞をするのは、とても疲れるので、職業替えして、名詞になってしまった、怠け者」
なんていう、素敵な表現がたくさん出てくる、フランス文法のおとぎの国の物語です。
好みによると思いますが、私は、「La grammaire est une chanson douce」より、この作品のほうが楽しめました。
bigre!の挿し絵も、益々、この本の魅力を倍増させています。
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