フランスの植民地であったインドのPondichéry が舞台の大河小説
2007-02-02
人生に疲れた中年男がインドで人生を再発見する話
2006-08-11
「Huit jours en été」
著者 : Patrick Cauvin
出版社 : Livre de poche
ISBN-10 : 2253032603
ISBN-13 : 978-2253032601
表装 : ペーパーバック(11x18)249頁
| 本の内容 | ☆ | 10/20 |
| フランス語難易度 | #♯ | 普通 |
| 読みごごち | ♪ | しんどかったです |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
主人公のJean-François Varnierは、親の手を離れた3人の子供を持つ、保険会社に勤める、中年男。
彼は、インドにしょっちゅう旅行しており、めったに家にいない長男のLouis、ボディービルディングマニアで即物の次男Sylvestre、化粧とファッションにしか興味のない、空っぽな頭の長女Moniqueの3人の子供と、そして、ラブロマンス・フォトコミックを手放す事の出来ない妻のSimoneに囲まれて暮らしているが、彼らと自分の間に超えることの出来ない溝を感じている。
8月1日から、毎年のように、海岸に近いキャンピ場で、1ヶ月間のヴァカンスを過ごす事になるが、Jean-François は、このヴァカンスが、いやでたまらない。
折に、インドにいるはずの長男が、パリの病院に収容されたいう電報がJean-François達の下に届く。家族とわずらわしいヴァカンスから逃れて、一人になる絶好のチャンスと、Jean-François は、パリに舞い戻るが、栄養失調のLouis は、Jean-Françoisに、インドに行き、彼のフィアンセの父親に結婚を申し込んでくれと懇願する。
そして、めったにパリから、はなれた事のないJean-François は、死ぬ思いで、やっと、LouisのフィアンセSanandraの住む、インドのBénarès に辿り着くのだが・・・
フランスでの生活に疲れ果てが主人公が、インドで、人生を再発見して、新しい自分を見つけるお話。
小説の導入部の、フランスでの暮らし、又は自分の家族に対する、主人公のシニックな、指摘は、なかなか的を得ていて、とても面白く感じました。
だけど、主人公がインドについてからは、私には退屈でした。
ヨーロッパ人が初めて触れる、インド。 聖と俗、洗練された美と醜さ、死と生が、ごったに入り乱れるインドの様子が驚きの目を持って、延々と語られているのですが、私は、デジャヴュ、どこかで読んだり、聞いたりした感覚を覚えました。
話にサスペンスを与えようと、色々と努力しているのだけど、どこか盛り上がりに欠け、ぐたぐたと、ちょっと変わったインドの観光説明が続くので、私は、辟易してしまいました。
インドにとても興味があって、著者と同じようなインドへの情熱を持っている人ならともかく、そうでない人は、途中で本を投げ出したくなるんじゃないかしら?
でも、情緒たっぷりのラストは、とても良かったです。
最後まで読んで、途中で止めないで良かったぁ、と、つくづく思いました。
インド滞在の下りをもっと短く、密度の深いものにしたら、もっと、しまった作品になったのに・・・と、残念に思われました。
私が最初に読んだ、Cauvin 氏の作品「Jardin fatal」は、ユーモアに溢れた、テンポのいい、若々しい作品でした。
同じようなタイプの作品を期待して、この本を手に取ったのですが、同じ著者の手によるとは、信じがたいほど、作風が違うので、ビックリしました。
本の奥付けを見たら、この小説が初版されたのは、1979年。
「Jardin fatal」の初版が 2003年なので、この2作の間には、24年の月日が流れている事になります。
(私は、未読ですが、勿論この間に、著者は何作もの作品を発表しています)
一般的には、若いことは、ハチャメチャっぽい作品を書いていても、年とともに、分別がついた作品を書くようになるのですが、24年前に書かれた作品が、ずうっとジジ臭いのは、どうして?
この若返りの秘訣は、いったい何から来ているのでしょうか?
という、疑問が頭の中を駆け巡りました。
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