フランス語の口語表現の語源を集めたエッセイ集
2008-07-17
フランスの女性政治家シモーヌ・ヴェイユ氏の自伝。
2008-07-10
侍の誕生というアングルから日本の歴史を説明したフランスの本
2008-07-01
フランス人によるザンスカール(Zanskar)でのトレッキング紀行記
2008-06-27
男脳・女脳説のウソを説いたフランスの脳理学者によるエッセイ
2008-06-15
ダニエル・ぺナック氏の2007年ルノドー賞受賞作品
2008-04-28
医師でゴンクール作家そして、現在フランスのセネガル大使を務めている ジャン=クリストフ ・リュファンの自伝
2008-02-29
シニックなユーモアたっぷりに老いを笑い飛ばしたフランスのエッセイ
2008-02-22
元フェミナ賞審査員が、審査員を除籍処分になった当時の事情を綴った作品
2007-09-06
Newsweek誌元特派員によるフランス文化論
2006-10-05
カメルーン出身のフランス人による、人種差別に関するエッセー
2005-11-09
「Je suis noir et je n'aime pas le manioc」
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
カメルーン出身で、都市工学者であり、フランスの Evry市の、L'Observatoire du Syndicat d'Aggromeration Nouvelle de la ville d'Evryの 所長を務めた事もある Gaston Kelmanによる、人種差別に関するエッセー集です。
この本が、フランスで出版された時は、「挑発的」と、かなり、マスコミで、話題にされました。
でも、私は読んで、
「どうしてこれが『挑発的』なの、本当の事を書いてるだけなのに?」と思いましたね。
フランス人は、他の国の人の事は、平気でめちゃめちゃに、けなすくせに、自分の事が批判されると、すぐ、『挑発的』とか『攻撃的』と言い、批判の矢を相手に返そうとするのですから、本当、これには辟易させられます。
この本に書かれている、著者が肌の色が黒いため、経験した、数々の恥辱を読むと、怒りがこみあげて来ました。
この本に書かれている様な人種差別の例は、フランスに住んで、「フランス人の中で暮らしている」非白人なら、程度の違いこそあれ、きっと、誰もが経験してる事だと思います。
学歴と社会的地位がある著者ですら、こんな経験があるのですがら、学歴も仕事もない、パリ郊外の団地に住む非白人が日常経験している屈辱は、想像するのが恐ろしいくらいです。
性質が悪いのは、この「人種差別」の大半は、相手の為を思って、親切にしてあげているつもりで、本人が気づかないうちに、行われている事です。
作者は、色々な例を挙げ、それがどうして、いけないのかを論理的に説明しています。
ただ、この本が、他の人種差別について書かれている本と違う所は、黒人は、白人より劣っているという考えは、白人だけではなく、黒人の中にも深く根づいているという事を明確に論じ、特に、アフリカ諸国の住人にも、非難の矢を向けている所です。
ここの所など、日本人にも共通している所が、あるなぁと、私は思いました。
「アフリカ人の血を受けていても、フランスで生まれて、フランス人として暮らして行くなら、肌の色が違ってもフランス人」という、著者の主張には、大いにうなずけます。
だから、ただ、単に肌の色が黒いから、アフリカの文化に興味を持って当然、という考えを持つ教育関係者に対して著者が向ける、批判も筋が通ったものだと思います。
又、著者は、「フランスの治安問題について、人種別の調査は、『共和国の原則』に反するので、出来ない」
という一部の政治家の意見に対しても、
「本当に、何が問題であるか、調査しなければ、原因解決は出来ない」と、断言し、反論します。
ただ、問題点だけを挙げ、フランス社会を批判するのではなく、ちゃんと、彼なりの問題解決の方法を示している所、とても好感が持てました。
ただ、残念なのは、この本は、インテリを読者対象として書かれている様で、文章が長く、1章も長くて、あまり、気軽に読めるタイプの本でない事です。
あまり、本を読む習慣のない、人達にこそ、是非、読んで貰いたいタイプの本なので、そこの所、とても残念に思えました。
著者 : Gaston Kelman
出版社 : 10/18
ISBNコード : 2264041080
表装 : ペーパーバック( 10x18) 207頁
| 本の内容 | ☆☆ | 15/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪ | .まあまあ |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
カメルーン出身で、都市工学者であり、フランスの Evry市の、L'Observatoire du Syndicat d'Aggromeration Nouvelle de la ville d'Evryの 所長を務めた事もある Gaston Kelmanによる、人種差別に関するエッセー集です。
この本が、フランスで出版された時は、「挑発的」と、かなり、マスコミで、話題にされました。
でも、私は読んで、
「どうしてこれが『挑発的』なの、本当の事を書いてるだけなのに?」と思いましたね。
フランス人は、他の国の人の事は、平気でめちゃめちゃに、けなすくせに、自分の事が批判されると、すぐ、『挑発的』とか『攻撃的』と言い、批判の矢を相手に返そうとするのですから、本当、これには辟易させられます。
この本に書かれている、著者が肌の色が黒いため、経験した、数々の恥辱を読むと、怒りがこみあげて来ました。
この本に書かれている様な人種差別の例は、フランスに住んで、「フランス人の中で暮らしている」非白人なら、程度の違いこそあれ、きっと、誰もが経験してる事だと思います。
学歴と社会的地位がある著者ですら、こんな経験があるのですがら、学歴も仕事もない、パリ郊外の団地に住む非白人が日常経験している屈辱は、想像するのが恐ろしいくらいです。
性質が悪いのは、この「人種差別」の大半は、相手の為を思って、親切にしてあげているつもりで、本人が気づかないうちに、行われている事です。
作者は、色々な例を挙げ、それがどうして、いけないのかを論理的に説明しています。
ただ、この本が、他の人種差別について書かれている本と違う所は、黒人は、白人より劣っているという考えは、白人だけではなく、黒人の中にも深く根づいているという事を明確に論じ、特に、アフリカ諸国の住人にも、非難の矢を向けている所です。
ここの所など、日本人にも共通している所が、あるなぁと、私は思いました。
「アフリカ人の血を受けていても、フランスで生まれて、フランス人として暮らして行くなら、肌の色が違ってもフランス人」という、著者の主張には、大いにうなずけます。
だから、ただ、単に肌の色が黒いから、アフリカの文化に興味を持って当然、という考えを持つ教育関係者に対して著者が向ける、批判も筋が通ったものだと思います。
又、著者は、「フランスの治安問題について、人種別の調査は、『共和国の原則』に反するので、出来ない」
という一部の政治家の意見に対しても、
「本当に、何が問題であるか、調査しなければ、原因解決は出来ない」と、断言し、反論します。
ただ、問題点だけを挙げ、フランス社会を批判するのではなく、ちゃんと、彼なりの問題解決の方法を示している所、とても好感が持てました。
ただ、残念なのは、この本は、インテリを読者対象として書かれている様で、文章が長く、1章も長くて、あまり、気軽に読めるタイプの本でない事です。
あまり、本を読む習慣のない、人達にこそ、是非、読んで貰いたいタイプの本なので、そこの所、とても残念に思えました。
アフリカに関するエッセーの傑作
2005-11-05
Coup de coeur
「L'Africain」
著者 : Jean-Marie-Gustave Le Clézio
出版社 : Folio (Gallimard)
ISBNコード : 2070318478
表装 : ペーパーバック(11x1x18)124頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 17/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
モーリス諸島出身の両親を持ち、幼年をアフリカで過ごした事のある、JMG Le Clézioが、アフリカへの想いを語った作品。
著者の父は、1928より、英国軍の軍医として、アフリカに勤務していました。
戦争が終わった1948年に、著者は、母親に連れられて、初めてアフリカの地を踏みます。
彼の父が勤務していたのは、ナイジェリアのOgoja、当時、この地に住むヨーロッパ人は、彼の家族だけでした。
大きな力を持つアフリカ、太陽、豪雨、植物、昆虫、すべてが桁違いにスケールの大きいアフリカ。
そして、自由にあふれている人間の体。
8歳の著者が初めて出会った、そういった未知の世界が、偏見のない子供の目を通して語られます。
決して、美しい思い出のみ取り上げているのではないし、美化しているわけではないのだけれど、彼の筆を通すと、彼の心の中に残っているアフリカの思い出は、心の琴線を揺らされる美しいメロディーに変わってしまいます。
厳格で、子供の頃、理解する事が出来なかった父の思い出。
普通のやさしい、お父さんになることのできなかったほど、厳しい人生を送ってきた父親。
20年以上、熱帯アフリカの奥地で、暮らし、広大な土地の唯一の医者として、多くの人々を治療し、
普通の人が生涯目にすることのない、悲惨な場面に数え切れないほど立ち会ってきた父。
著者は、父親が歩いてきた道を辿りながら、彼を理解しようと試みます。
そして、内戦に明け暮れる、アフリカ。Biafraの虐殺。
アフリカへ武器を輸出しているヨーロッパ諸国への批判。
この本を通して、著者は、アフリカと彼の父への想いを語っていますが、心を打たれたのは、その文章に漂う、SERENITE。
長い年月により、表面的なもの、余分なものがすべて、きれいに洗い流された、思い出。
その中に残った本質的な物のみが、灼熱の中をすっと吹き抜けて行く風のような、文章で綴られています。
この本には、挿入されている、彼の父が撮影した15枚のセピア色の写真からも、彼の父と著者のアフリカへの深い愛を感じる事出来ます。
『とても美しい言葉で綴られた、アフリカに関するエッセーの傑作』と、言っても決して過言ではないと、私は思いました。
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